プロジェクトはなぜ失敗するのか

「プロジェクトはなぜ失敗するのか」という資料を書いた。

https://speakerdeck.com/nmta/hurosiekutohanaseshi-bai-surufalseka

プロジェクトを成功させることはSIerにとって永遠のテーマである。開発者、プロジェクトマネージャー、顧客、その他多くの関係者がうまく機能してはじめてプロジェクトは成功する。いずれもかけてはいけない。

大きな案件を受注したものの「うまくやれるだろうか」と不安に思うこともあるかもしれない。はじめて経験する技術や環境であればなおさらだ。しかし、経験を積むことで不安を小さくすることはできる。ただそれは同じチームメンバー、同じ顧客であればの話だ。永遠に変わらないものなどない。私たちはそういった環境の中でプロジェクトを成功させることを求められている。

経験がないからといって、優秀なメンバーが揃わなかったからといって、はじめからプロジェクトが失敗すると思ってはいけない。そんなことはよくあることだ。どんな状況下でもプロジェクトを成功させるためにプロジェクト管理手法、開発手法がある。

それらの手法が浸透したことによりプロジェクトの成功率は徐々にではあるが上がってきているという。成功率は上がっているものの、失敗するプロジェクトは後を立たない。開発者が手法を学び成長する必要があることはいうまでもないが、それだけでは十分ではない。プロジェクトは顧客のわがままによっていつでも失敗する。顧客もまた手法を学び成長しなければいけない。

ある発注者である顧客は言った。

「使えないプロジェクトマネージャーだ」

こうも言った。

「ろくな開発者がいない」

ある開発者は言った。

「顧客はいつも言うことが変わる」

こうも言った。

「今回は顧客に恵まれなかったね」

間違っているとはいわない。全てその通りなのだろう。しかし、失敗を誰かのせいにするだけでは何も学ぶことはできない。優秀な開発者が揃っていて、仕様変更も機能追加もしない顧客であればSIerに苦労などない。必要なことは誰かを責めることではなく、ふりかえり次に活かせる何かを見つけることだ。

プロジェクト成功に必要なことは、わがままを言わない顧客を見つけることではない。顧客にわがままを言わせないことでもない。顧客のわがままな変更要求に対しても歓迎して受け入れることだ。もちろんただ受け入れるわけではない。顧客はスコープを変えること(受け入れる代わりにやらない、もしくは後回しにすることを決める)、期間を変更することを受け入れる必要がある。顧客はそうしなければプロジェクトが失敗すると理解しなければいけない。

それでもやれという顧客がいることを私は知っている。「生産性を2倍にしろ」と。なんと言われてもできないものはできない。じゃあ予算も2倍にしてもらえますか?

私たちに必要なことは努力(残業、徹夜、休日出勤)ではなく、技術(テクニック、テクノロジー)であることを忘れてはいけない。


日記

2019-12-04 11:48 +0900